突然ですが、あなたは九九を覚えていますか?ほとんどの人が、この質問にイエスと答えられるのではないでしょうか。「自分は記憶が苦手」と感じている人でも、九九ならば言える人が多いと思います。他にも、歌の歌詞はなぜか覚えられますよね。1曲分の歌詞を文字にしてみたら、まずまずの量の文字になると思います。1曲だけではなく何十曲も覚えようとしたら、かなりの量になりますね。文字として覚えようとしたらなかなか大変です。

このように、人間は音やリズムと一緒に覚えた記憶ならばかなり覚えていることができます。九九というのは本当に便利な発明だと思いますね。音で覚えると記憶する効果は3倍にもなると言われています。

なぜ音で覚えると覚えやすいかというと、脳への刺激が3倍になるからです。文字だけで覚えようとすると、使うのは目だけですが、自分で言うと口も使いますし、音を耳で聞きますね。このように、目、口、耳を使っているので3倍になります。

僕は、この効果を受験勉強に取り入れるようにしていました。きっかけは、古文の単語を覚えるために使った「古文単語ゴロゴ」という本です。この本は古文の単語をゴロを使って覚えます。ゴロはかなりこじつけた感じのものもありますが、僕にとっては受験勉強に欠かせないものでした。

僕は古文が嫌いで、古文の単語はどうしても覚える気になれなかったんですね。しかし、この本にはCDが付いていたので、ただ聞いているだけで勉強になります。何もしなくても聞いているだけなので、それならば出来ると思って3ヶ月毎日聞き続けました。

そうすると、まさにゴロが「耳に残っている」という感覚で意味が分かるようになっていきました。しかも、一旦覚えた後は意味を忘れずに覚えておくことができ、古文の単語は受験本番まで勉強する必要がなくなっていました。九九もそうですし、一度覚えた歌の歌詞はかなり長い期間覚えていることが出来ますよね。もしかしたら一生忘れないかもしれません。それと同じです。

また、音で覚えることの良いところは、頭が疲れないという点にもあります。英語の長文や現代文など、暗記ではない学習は頭をフル回転させて考えます。ところが、音で覚えることは単なる作業です。言って耳に残す。これだけなので頭を使いません。暗記に体力をそれほど使う必要がないので、考えるために力を残すことが出来ます。

この方法で味をしめて、他の科目の勉強にも応用するようにしていきました。英単語は必ず読み方を口で言うようにし、英語の熟語も声に出して覚えるようにしていました。また、日本史でも江戸幕府の将軍の語呂合わせを考えて声に出して覚えたりしていました。

文系の大学受験の科目は、知識を覚えることが大半を占めます。僕はこの方法を知らなければ、合格出来ていなかったと言えるほど重要なものでした。暗記をする際には声に出して覚える、ということが暗記力をアップさせるコツです。

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