志青塾は2011年に開塾し、それ以降幼稚園・保育園生から大学受験生までの指導を行ってきました。10年以上、のべ300名以上の生徒さんを指導させて頂いた経験があります。その中で、子どもたちが「学習に熱中する瞬間」を目の当たりにしてきました。

①学習にやる気が出ないのは当たり前、という視点を持っておく。

②課題がなければつまらない。ジムリーダーがいないポケモンはポケモンじゃない。

③熱中するとは感情が動くこと。人の話を聞いても熱中は生まれない。

この3つが、学習への熱中、集中を生み出すことに繋がるという結論に至りました。以下それぞれについてお伝えしていきます。学習に熱中する、集中することは、子どもたちだけでなく大人にとっても難しいことですね。ご自身の経験にも照らし合わせて、お読み頂ければと思います。

 

①学習にやる気が出ないのは当たり前、という視点を持っておく。

人間の脳に強く刻まれているのは、「いかにエネルギーを省いて生きていくか」ということです。嫌なこと、危険なこと、疲れることはやりたくないですよね。もちろん中にはそうしたことことを好む人もいますが、傾向としては少ないですよね。「勉強にやる気が出ない」、というのは「何も食べないとお腹が空く」「寝ないと眠くなる」と同じように、当たり前のことであるという認識が必要です。

そう考えるからこそ、「ではどうするか?」を考えることに繋がっていきます。この子は学習に向いていないとか、勉強が嫌いとか、立ち止まってしまうのではなくて打ち手を考えることが出来ます。

そこで次に考えるのが、どういった仕掛けがあれば人が熱中できるのかを学習以外の事例から考えてみることです。

②課題がなければつまらない。ジムリーダーがいないポケモンはポケモンじゃない。

ポケモンには「ジムリーダー」という存在がいます。ジムリーダーに勝たなければ、その先に進むことは出来ません。子どもたちは(子どもたちに限らずですが)、このジムリーダーに勝つために時間をかけてポケモンのレベルを上げていきます。それこそ時間も忘れて。

このジムリーダーの存在はポケモンの中で非常に大切な役割があると思います。確かにいろんなポケモンを捕まえるだけでも面白いかもしれませんが、自分に課題を与えてくれる存在がいることで行動の「目標」が出来ます。そして、その目標はちょうどよい難易度のものです。序盤にいきなり強すぎる敵が表れたら、それはそれでやる気をなくしてしまいます。

学習でも同じように考えることが出来ます。適切な課題を与えてくれる存在がいて、その出された課題をクリアしていくこと。これが何かに熱中するためには不可欠です。自分1人で課題を設定してそれをクリアすることも出来ますが、自分に必要な課題を設定し、それを乗り越えるためにコツコツと努力出来る人がこの世にどれだけいるでしょうか?この点は、皆さんにも共感頂けるのではないでしょうか。それが出来る人材って、ものすごく割合が少ないですよね。

そして、その適切な課題をクリアした時には、脳の報酬系が刺激されます。達成感や喜びを感じる瞬間ですね。人が何かに熱中出来るのは、この報酬系を刺激するために「あともう少しで達成できそうなこと」に取り組んでいるときです。

それを考えると学習に熱中を生み出すために必要なことは、誰かの話を聞くことではない、という結論になります。

③熱中するとは感情が動くこと。人の話を聞いても熱中は生まれない。

何かに熱中して取り組んでいるときは、感情が動きますよね。嬉しい、悲しい、怖い、悔しい、その感情で頭の中がいっぱいになって、他のことを考える余裕がありません。

問題が解けて嬉しい、問題が解けなくて悔しい、この2つの感情を交互に繰り返しながら、適切なレベルの課題をクリアすることが大切です。そのように考え、志青塾では講師が授業を行うのではなく、自ら考えて問題を解く時間を中心にしています。

そもそも、誰かの話を集中して聞くのには限界があります。10分も一方的に話が続いたら、疲れてしまいますよね。感情が動くストーリーになっていれば話は別ですが、学習ではそうしたものばかりではありません。

考えられる問題を与えてしまえば、脳が勝手に考える。それはもう自動で勝手に。そうすると、答えを確かめたくなる。合ってると次もやりたくなる。どこかで間違える、それをクリアするとまた感情が動く。これをずっと繰り返していると、知らない間に時間が経っている。勉強が面倒くさい、という他のことを考えている余裕がない。

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