■「やらせる」「やらされる」勉強は続かない
勉強はめんどくさい、難しくて分からない、やりたくない。だから、無理矢理にでもやらせる。このように考えている方も多いと思います。しかしそうした「やらせる」「やらされる」の関係では、お互いに消耗してしまいます。
そうではなくて、「やりたくなる仕組み」「勉強に熱中できる仕組み」があれば、子どもたちは自ら取り組むようになります。子どもたちがそういった仕組みを自分で見つけるのはとても難しいことです。勉強をしてほしいのであれば、周りの大人にその仕組を作る責任があると思います。
人間も生き物ですから、やる気はドーパミンによって左右されます。ドーパミンが得られると分かってしまえば、自ら進んでそれをやりたくなるんですね。勉強も、工夫次第でドーパミンが放出する瞬間を設計することができます。
■目標とルールがあると、人は熱中する
ドーパミンが放出される瞬間を作るには、明確な目標とルールが必要です。ただ単に「走ってこい」と言われても、何を目指して、どうやって、どうしたら終わるのかを伝えなければやる気は起きません。何かを達成できた、という認識が生まれないからです。そこで、競争という形で誰かと競争したり、時間を計るようにすると以前との変化が分かるようにり、感情の動きが生まれます。
ゲームやスポーツなど、熱中してハマるものの多くには目標やルールがありますよね。傘で石を転がしているだけでは飽きてしまいますが、ゴルフというスポーツにしてルールを決めれば、一生続けられる趣味になりますし、世界的な産業にさえなってしまいます。野球、サッカー、Eスポーツなどなど、笑顔を爆発させたり、時には涙を見せることもあります。する側も見る側も、脳内でドーパミンが放出されていると思います。
勉強も同じです。子どもたちからすれば、いきなりよく分からないものが始まり、これを覚えなさい、考えなさいと言われる。ゴールは何で、どうすれば楽しみを感じられるのかを教えられることもない。将来必要になるから、というフワッとした理由で多大な時間を費やすのは可哀想とさえ思います。つまらない、と思っているのならその原因はやらせる側にあります。
■学習にも、心を動かす瞬間は作れる
そこで、志青塾の学習では日々の学習でも明確な目標を持って取り組みます。目標を決める時に大切なことは、
・「自分にもできると感じられるレベルの内容であること」
・「明確な数値や達成基準のルールがあること」です。
例えば、中学3年生でも計算問題が100%完璧に解ける生徒さんは多くありません。そのため、1,2年生の復習からしっかり行います。3年生の多くが、1年生の計算であれば「自分にもできるはず」と感じて取り組み始めます。しかし、2~3割の問題は間違えてしまいます。間違えてはしまうのですが、その間違えた問題は「自分の力で修正できる問題」です。解説を見て、ここが間違っていたんだなと分析と修正を繰り返すことができます。自分には手も足も出ない問題は最初からやりません。
そして、最後に80点を取ったらクリアというルールを設定して、もう一度同じ問題を解きます(PCの学習はこれに反復に最適です)。そうすると、全員がクリアしていきますし、その学習をしている時の集中力はとても高いことが伝わってきます。80点という明確な目標を伝えられたら、子どもたちは何度でも自ら挑戦しようとします。
この学習をしている時の感情の動きは、①「自分にもできそうだからやってみよう」→②「(最初は調子が良かったけれど)あれ、これはどうやってやればいいんだろう?あ、ここを間違えていたんだな次は気をつけよう」→③「(もう一度トライして)今度は最初よりも良くなっているはず。80点に向けてさっきの間違いに気をつけてやってみよう」→④「(目標を達成して)よし、自分は天才だ」となるんですね。ドーパミンが放出されている瞬間です。
■「これだから勉強はやめられない」
あなたも想像してみて下さい。あともう少しで手が届きそうなのに、途中でやめてしまうことってないですよね?ゴールに到達しなければそれまでの努力が無駄になってしまう。でも、ゴールに到達したら努力が報われる。そう感じたら、もうゴールしか見えなくなります。
ただひたすら目標もなく問題を解いていても、誰かの話をずっと聞いていても、感情は動きません。
自分にできるはずと感じた問題は、取り組み始めることができます。そして、できるはずと思ったのにできなかったら悔しいです。悔しいままでは終われないので、できるまでもう一度やりたくなります。自分の努力で目標を達成できれば、達成感や喜びを得られます。喜びが感じられる、ドーパミンが放出されると分かっているので、自らやるようになります。
このような仕組みを作ることで、「これだから勉強はやめられない」(または「勉強も悪くない」)と感じながら勉強に取り組んでもらいたいと考えています。